伊藤健次 山わたる風 后记

山わたる風

あとがき

初めて北海道へ来てからもう二十年が経ちます。自分でもそんな長い時が流れたのが信じられず、野山を夢中で歩き、寄り道するうちに、いつの間にか時間を吸い取られてしまった気分です。野生の姿を求めつつ、自分自身の居場所を探してきたのかもしれません。

どんなに澄んだ川でも、魚一匹いなければ、ただ冷たいだけの川です。ここに登場した生きものたちと同じ土地に暮らしていることを、僕は誇りに思っています。

彼らとの巡り会い同様、人との出会いに恵まれ、この本が生まれました。新聞連載でお世話になった朝日新聞北海道報道部の阿部八重子さん、出版の機会を頂いた柏橹会と担当の中島哲也さん、雑多な写真を小気味よく綴じて頂いたデザイナーの堀渕伸治さん、東京印書館の皆様に感謝します。

また楽しい話が届けられるよう、これからも耳をすませて野を歩きたいとおもいます。

二〇〇六年雪どけの遅い春に

伊藤健次

山わたる風

后记

初次去北海道现如今已经过去二十年了。自己都不太相信已经过去这么长的时间了,在沿途中,如梦一般的在野山中行走,不知不觉中时间就不断的流逝了。可能不断追求着野生物种的姿态,也不断在这过程中找寻自己的生存的地方。如果水至清,然而却一条鱼都没有,那这片水域也只是冷清的水域。在这里登场的和一同在这片土地下生存的生物,我觉得应该给予夸奖。

就像我和它们的相遇一样,正因为人与人的相逢,这本书诞生了。在报纸上连载时候帮助我的朝日新闻北海道报道部的阿部八重子老师,以及给予我出版机会的中岛哲也老师,在杂多的照片中给予点缀和修改的设计家堀渕伸治老师,以及东京印刷馆的各位老师们,我要向你们表示郑重的感谢。

为了能让读者再次感受到我写真集的快乐,我想再一次的行走于这片野生的土地。

二〇〇六年 于冰雪才刚开始融汇的春天

伊藤健次


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